渓流

2016年10月 4日 (火)

閉幕

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 北アルプス登山の話の続きや、木曽川での釣りの話、地元秩父で釣れたキレイなヤマメの話など、先に書くべきことが溜まっているのですが、どれも書かないうちにだいぶ時間が経ってしまいました。

 なのでそちらは後回しにして、まずはいい魚が出たタイムリーな最後の釣りから書いていこうと思います。

 

 9月30日、イワナやヤマメが釣れる今年最後の日、平日にもかかわらず幸運にも私は丸一日釣りに行く時間をとることができました。

 思い返すと今年はイワナ釣りに出かけることが多く、いつもの年に比べてヤマメの顔を見ていないことに気付いたので、この日はいつもより下流に狙いを定めました。

 最終日なので、有終の美を飾るために本気の釣りをしたいような、逆に最後くらいのんびりしたいような微妙な心持ちでしたが、朝一のポイントで尺クラスの赤黒いヤマメの素早いチェイスを見たのをきっかけに、やる気のスイッチをオンに。

 でも秋はやっぱり難しい。 そのヤマメはそれっきりで、その後は何も反応がないまま時間がすぎてゆく・・・

 しかし他にもいいヤマメがこの流域に入っている可能性は充分に高いので、集中力をキープしながら釣りを続けると、数時間後にようやくまずまずのヤマメの引きを味わうことができました。

 釣り上げてみると26センチほどのメスのヤマメでしたが、期待を高めるには十分でした。

 この1匹が、いつもなら面倒になって粘れない大場所でも攻め抜く気力をもたらし、次の魚に繋がる重要な足掛かりになりました。

 

 巨大なプールで、普段ならとっくに次のポイントに進んでいる頃、何度もトレースしたラインで明確なアタリが。 

 大物というほどではないけれど、いいサイズだとはっきり分かる手応えを感じながら手繰り寄せてくると、鮮やかなオレンジ色が目に飛び込んできました。

 そこからは焦って少し強引になってしまいましたが、なんとか無事に最高のヤマメをネットに収めることができました。

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 とてつもなくキレイな雄の尺ヤマメが今年最後の釣りを飾ってくれました。 

 こんな完璧なヤマメで〆られるならこれ以上のことはありません。

 その後も少し釣りを続けたのですが、もう充分な気がして、昼下がりには竿を畳んでしまいました。

 これにて今期は閉幕。

 学生時代の最後にふさわしい、本当に楽しいシーズンでした。

 半年間楽しませてくれた川と出会った全ての魚に感謝・・・

2016年8月 7日 (日)

水の中

 入渓しやすく解禁前には放流もあるハイプレッシャーな場所に行ってみました。

 やはり難しく、釣果は5、6寸のイワナとヤマメが数匹でしたが、釣れないだけで魚はちゃんと居ます。 流れの中にニジマスの姿を見つけました。

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 上の写真のどこかにニジマスが写っています。

 さあ、どこにいるでしょうか?

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2016年7月 5日 (火)

2度あることは

 過去の釣果を参考に、今年も遡上モノを狙ってみました。

 今のところうまくタイミングにハマったのは、2013年6月23日と2015年7月5日の2回。

 そして今回の釣行は6月29日。 充分に期待の持てるタイミングです。

 

 ただ気がかりなことが1つ。

 前回の釣行で、狙う流域が発電所の放水によって大増水していたこと。 そうなると釣りになるポイントがぐっと減ってしまうので、どうか放水は止まっていてほしい・・・

 ところがそんな願いも虚しく、川は先週以上の激流となっていました。 

 これは一体どこを釣ればいいのだろう。

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 平水時には流れの緩い場所に出ても、ちょっとましになったくらいで相変わらずの激流。

 対岸の弛みで何匹か掛けるものの、流心を越えられずにバラシ。

 そんなことをしている間に、ヤマメよりも先に上流から流れてきたヘビを捕獲。

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 野生のアオダイショウは久しぶりに見ましたが、やっぱりいいヘビですね。 体は大きいのにかわいい顔つきしてます。

 

 お遊びはそこそこに釣りを再開したものの、激流に最後まで苦戦し、小ぶりなヤマメを釣るのが精一杯でした。 

 もともとこの時期に来なかった一昨年は別として、ここでは2シーズン連続で1日に複数の尺上を獲れていただけに今回も期待していたのですが、残念ながら2度あることでも3度目はありませんでした。

 まだチャンスはありますが、そろそろもっと上流に行きたい時期になってきたので、今年の遡上モノ狙いはこれで終わりかな・・・

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2016年6月11日 (土)

梅雨入り

 思い返してみると、今年は早くから源流近くばかりで釣りをしていました。

 そのせいで最近ヤマメをあまり見ていなかったので、久しぶりにイワナのいない流域で竿を出してみました。

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 梅雨を迎えた渓は増水していました。 あの程度の雨でこんなに増える?と思うくらいの増水っぷり。 妙な濁りが加わっているところを見ると、ダムも放水していたのかもしれません。 

 期待とは裏腹に活性はいまいち。

 ヤマメたちは底べったりに着いていて、ノロノロ追ってきて足元で掛かる感じ。 口の外にフッキングしていることがほとんどだったので、たぶんちゃんと口を開いて喰いにきていません。

 幸い魚が多いのでそこそこ釣れましたが、大きさは全部20~23くらい。 立派な渓相からすれば、尺とは言わなくても9寸クラスが5・6本に1本くらい混じっても良さそうなのに、釣れた魚たちより上のサイズはチェイスすら見えませんでした。

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 その後は夕方の帰りがけの一時に遡上モノのチェック。 

 降り立った場所はいっそう増水しているように感じました。 軽く平水時の2倍はありそうな量で、水の塊が荒々しく流れくだる様はまるで別の川のような表情。

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 このあたりにはいつ頃になると最初の遡上モノが差してくるのか、私はまだ知りません。 でも、増水によって本流釣りの雰囲気を醸し出す流れを見ていると、もう来ていてもおかしくなさそうにも思えてきます。

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 太い流れの中から現れたのは、期待どおりの銀ピカ。

 これから雨の降るたびに新しい魚が運ばれてくるので、楽しみにしておきたいと思います。

 

2016年3月26日 (土)

開幕 学生時代最後のシーズン

 来年度からは4年生。 1年後にはたぶんちゃんと卒業できているはずなので、学生アングラーを名乗れるのも今シーズンが最後。

 だからといって特に名残惜しい気持ちがあるとか、そういうわけではありませんが、せっかくなら有終の美を飾って終われればと思っています。

 

 今シーズンの初釣りは3月1日。 栃木の沢で解禁を迎えました。

 3年連続の解禁日出撃になりましたが、天気が悪いのはもうお決まりなのでしょうか。 一昨年は雨、昨年は雪、そして今年は吹雪。 しかも標高が高い川に来てしまったので、やたら寒い。 夜明けを待つ間に車につららができてしまいました。

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 寒いのが本当に苦手なので、いくら解禁日といえども意欲が失せてくる。 それでもせっかく来たのだからと思い直して準備に取り掛かりましたが、あっという間に手の自由が利かなくなってしまいました。

 かじかんだ手でぎくしゃくと釣りを始めてみても、応えてくれる魚影は無し。

 その上絶え間なく衝撃波のような突風が吹き荒れ、釣りの邪魔をするばかりか、雪煙を巻き上げていっそう悲壮感を煽る。

 ・・・もうダメだ、戻ろう。

 自分でもびっくりするほど早々に心が折れ、退散。

 でも、せっかくの解禁日に1匹の魚影も見ないまま帰るのも後味がよくないので、ひとまず平地に下りて天気の回復を待つことにしました。

 午後になると雪が止み、風もずいぶん穏やかになりました。

 このくらいの天気なら大丈夫。 適当な細流に目をつけて再び魚影を探し始めると、まもなく小気味よいアタリが。

 ロッドを揺する手応えは明らかに小さい。 それでも、大事な大事な最初の1匹。 つい真剣になってしまいます。

 やがてネットに収まったのは、20センチほどの放流ヤマメでした。

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 贅沢は言うまい、まずは魚の顔が見られたことが嬉しい。

 とにかくこれで、無事に解禁を迎えることができました。

 さあ、今シーズンも始まりです。 また宜しくお願いします。

 

 

 

2015年8月 2日 (日)

合わせて四尺二寸

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 これも1ヶ月近く前の話になってしまいましたが・・・

 7月5日

 

 行き先を決めるにあたって、2年前の6月下旬、渓流釣りのつもりで入った流れでヒットした2匹のヤマメのことを思い出していました。

 期待通り綺麗な渓流らしいヤマメを手にした後で大淵から現れたのは、全く予期していなかった魚。

 薄らいだパーマークを覆う銀色の鱗と大柄な体格は、紛れもない本流からの遡上ヤマメのものでした。

 今年も彼らはもうあの場所まで来ているだろうか。 

 考え始めると途端に気になり、気付けば2年前と同じ流れの中に浸かっていました。

 恐らくは自分しか知らないルートをつたって降りた先にある、長い瀞に続く瀬のヒラキ。この先の好ポイントの連続する区間の玄関口的な場所。

 いつものことながら寝坊したため朝一のゴールデンタイムは逃したものの、この日は時折小雨のぱらつく曇り空で、太陽の位置がはっきり分からないくらいの厚い雲が頭上を覆っていました。

 これならイケる。 期待に駆られてキャストを始めると、わずか数投で影が絡みついてきました。

 ギラッ、ギラッ、と左右に大きく振れながら迫ってきたヤマメは、次のキャストでばっくりとミノーを咥え、手元にしっかりとした重量感を伝えました。

 この時のお互いの距離は約1.5メートルほど。 この近さで大人しくなるまで猛攻をかわし続ける自信はないため、一気に寄せて水面まで浮上させ、勢いに任せて下から一気にザッ!と掬い上げる。

 次の瞬間、いやむしろ一瞬早かったか、竿が弾かれる感触とともに、さっきまで魚の口元にあったはずのミノーが空中に放り出されました。

 でも、大丈夫。 

 既にネットのフレームは水面を割っていました。

 こんな高活性の魚を相手に危なっかしい勝負だったものの、何とか狙い通りの魚を手にできた・・・

 そう安心したのもつかの間、覗きこんだネットの中のヤマメの姿に目を奪われ、再び脈が早くなりました。

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 銀色の具合はずいぶんと控えめ。 そして色白の体に浮かんだ完全無欠のパーマーク。

 これは居着き? もしそうだとするならば32センチというサイズは私にとって絶叫にも値します。

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 もちろん居着きのヤマメも普通に生息している流域ですが、本当の意味で居着きの大ヤマメだと断言できる魚を手にしたことがない私が、パーマークや銀化の具合だけでそれを判断するのは、この後に訪れた展開から言ってもあまりに軽率。 

 そうは言っても理想的な姿のヤマメであることに変わりはなく、今年イチバンの高揚感で遡行を始めました。

 

 当初の目的は遡上ヤマメ。 やはり、2年前と同じように差してきていました。 

 しばらく遡行した先の深瀬でアップに投じたヘビーシンキングのミノーに再びいいサイズが反応。 一度は沈黙した相手にしつこくアプローチを続けていると、再び火が付き猛然とチェイス。 そしてピックアップ寸前でヒット。

 ティップから伸びている糸の長さはわずか50センチほど。 これまたさっさと取り込んでしまうべきだと判断してランディングしたものの、その後が大変。 ネットの中でフルパワーで暴れるヤマメに竿を折られるかと思いました。

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 これが今日の本来の狙い。 パーマークは水中で銀色の反射が遮られたときのみ、かろうじて見える程度。 華やかさを取り払った燻し銀の魚体には、また違った魅力があります。 これも尺を少し超える良型でした。

 今日はいい日だなあなんて思っていたら、幾らも歩かないうちに、再び鋭い衝撃を手に感じ、これまたいいサイズがネットに収まりました。 さっきのより大きいぞ、なんて思っていたら、とりあえず1枚写真を撮った直後、サイズを測らないまま逃走してしまいました。

 でも逃げた魚は云々抜きにしても先の1匹よりも絶対に大きいと感じたし、尺ヤマメ認定でも良いでしょうか。 自分に厳しい人ならしないと思いますが・・・。

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 この日の高活性は年に1度あるかないかのものだったかもしれません。 ここでは普段滅多にお目にかかれないイワナまで泣き尺が飛び出しました。

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 そして絶好調の1日を締めくくったのはこの日最大の33センチ。 

 サイズ以上のパワーで暴れまわった魚体は、強い流れの中で成長したと思われるはちきれんばかりの筋肉に覆われていました。

 

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 クマの生息圏ともかぶるいかにも渓流といった景色の中、こうしたタイプのヤマメを5ftのロッドで狙う釣りは、秩父をホームとして初めてできるようになりました。それまでの自分の常識からすると何だかとても不思議な組み合わせですが、そんなところに面白みを感じています。

 

 

 

 

 

2015年5月 9日 (土)

一人旅

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 知らない場所で釣りをすること。

 今年の目標の一つであり、今一番魅力を感じているのがそんな釣りです。

 先にどんな流れがあって、どんな姿の渓魚がいるのかも分からないまま、期待を膨らませながら川を歩くことには、何物にも代えがたい楽しさがあります。

 そんな楽しみを求めて、このGWに泊まり込みで一人旅をしてきました。 

 

 学校が終わったあとに準備と仮眠を済ませ、夜11時に出発。 

 人気のない道路をひたすら進み、パワーのない原付で県境の山道をトロトロと越え。

 コンビニで日釣り券を購入した後、深夜3時過ぎにまだ真っ暗な目的地に到着。

 自分の最長走行距離を塗り替えて、やってきました。 

 夜明けまではまだ時間があるので、寝袋に潜り込み再び仮眠。

 そして辺りが薄明るくなってきた頃、また起きだして高台から川を覗きこむと・・・

 

 場所は山梨県北部の渓流。

 そこには、これだけでも来た甲斐があると思えるほど素晴らしい水が流れていました。

 そそくさと準備を済ませ、日の出を合図に川へと降り立ちました。

 

 間近で見ても水はやはりどこまでも青く透明で、垢一つ張っていない川床の上を滑っています。 あとは魚さえ居れば・・・

 

 始めて間もなく現れた砂底のプールで、小さいながらもルアーを追う元気な影が見えました。 

 なんとかなりそうな雰囲気にひとまず安心しながら釣り上がっていくと、さっそくこの旅の目的を果たすことができました。

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 そう、旅の目的とはずばりこのアマゴを釣ること。 そのために、他でもなく山梨を選んだのです。

 こうして初めて朱点を直に拝みましたが、小さいアマゴながらもその魅力を存分に伝えてくれました。 

 もういつか再訪することを考えてしまうほどに・・・

 さて、目的は果たしたといってもまだ朝6時前。

 この日は泊まっていく予定のため、まだたっぷり時間はあります。 さらにいいアマゴを求め、歩いているだけで心が洗われるような谷を遡行、遡行。

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 これだけ綺麗で入りやすい川なので、スレているのでしょう、反応はあまりいいとは言えません。 それでもイワナ混じりでぽつぽつとバイトがありますが、アマゴばかりをバラシ。 結局、アマゴはもう一匹を追加するに留まりました。

 しかし、この日はイワナが当たり。

 最後の堰堤を越えたところで途端に落差ある渓相に変化し、それまで圧倒的優勢だったアマゴの姿がぱったりと途絶えました。 代わりにその先はイワナの良き棲家。 ここぞという大場所には必ずといっていいほど着いていて、サイズも25センチ前後のものが次々とヒット。 しかも綺麗でよく太ったイワナばかり。 普段イワナに見放されている私には嬉しすぎるシチュエーションでした。

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 光の当たり方によって黄色味が飛んでしまったり、逆に濃く写りすぎたりと、写真だとずいぶん色合いが変化してしまいますが、実際には揃った特徴を備えた、この地特有の血が流れていることを感じさせるイワナたち。 しかもコンディションも良いとくれば、それまでアマゴを釣るために戻って下流域に行こうかと考えていたことも忘れてしまいます。

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 もう引き返すつもりはなくとも、本当はアマゴが釣りたいんだけどな、なんて考えはまだ消えていませんでした。 いつもならこんなバチあたりなことを考えているといいことはないのですが、この日は違いました。 

 アマゴが釣りたいと思いながらも戻らなかったのは、もはやまずまずのサイズが当たり前の状況を見て、ほとんど確信していたから。 滝から続く長いプールで、これでも不満かとばかりにミノーを齧ったのは、やはり尺イワナでした。

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 ゴツく、厳つく、鮮やか。

 こんなイワナが釣れれば、もう何も不満はありません。 引き返さなくて本当に良かった。

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 腹も大好きな柿色系。 この日釣ってきた中でも一際濃い色を見せてくれました。

 

 撮影を済ませリリースし、流れに戻っていく姿を見送ってホッと一息。 時計を見ると3時半。 先は険しさを増しているようだし、滝の上を少し探ったところで引き返しました。

 駐車した場所まで戻った後、一旦街中まで出て給油。 そして、帰路の途中で適当な場所を見つけてテント泊。 寝不足を解消すべくたっぷり睡眠をとって、翌日の朝、午後からの用のために山梨を去りました。

 少し慌ただしい計画でしたが、疲れも吹き飛ぶほど満足。 尺イワナが釣れてくれたことはもちろんですが、アマゴの姿が見られたことで、やっぱり知らない場所での釣りは面白いものだと思えました。

 

 毎回そううまくいくわけはないと分かっていても、次はどこに行こうか、なんて考えてしまっています。

 

2014年9月28日 (日)

2度目の秋、最終日 大ヤマメ再び

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 画像のヤマメは、昨年秋に釣れた35センチのヤマメです。 数年前から憧れてきた理想がようやく現実となった1尾でした。 秩父に来て最初の年、9月12日の出来事でした。 

 昨年はこのヤマメ以前にも、居着きでないとはいえ、渓流域でいいヤマメが釣れていました。 夏の遠征でも結果は良好で、締め括りともいうべきこんなヤマメが釣れたことで、残りの釣りは、心にゆとりを持って純粋に楽しめたものです。

 しかし、今年は違います。

 何だか気持ちにモヤモヤしたものが残る結果となった2014年の解禁日。 そんな気持ちが今シーズンの釣りの有り様を暗示していたかのように、まるで釣果に恵まれない日々。 そして、気付けば今日この日、自分にとっての最終日を迎えていました。

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 今日は、一足先に禁漁を迎えた栃木で退屈していた父が、初めて秩父を訪れました。

 飽き症な父は、ここで何かを書くことはなくなってしまいましたが、今までと変わらず元気にしています。 それどころか、年々源流志向が強まり、いっそうハードな釣りをするようになっていました。 昨年からは源流釣りのために登山も始めたようです・・・。 今年の夏に一緒に源流へ遠征をかけましたが、足腰の頑強さは、私では到底及びませんでした。 様々なところで耳にする、「最近の若者は・・・」という中高年世代の言葉。 私はこれが大嫌いで、聞くたびにムッとしてしまうのですが、成程確かに、川歩き、山歩きに関しては、父には何も言い返せません。

 話が逸れましたが、とにかくこちらへ父が来ました。

 せっかく来てもらったのだから、何とかして釣ってもらいたい。 それと同時に、何とか自分も有終の美を飾りたいという思いから、困った時のために手をつけずにいた区間へと向かいました。

 

 そこは、昨年3度の釣行で、上の35センチをはじめ、36センチ、33センチ、泣き尺以下の良型も何本か出ていた場所。 数、型、渓相どれをとっても、自分が最も信頼を置いている区間でした。

 前日のうちに到着し車中泊、日の出と同時にこの頼みの綱の流れを打ち始めましたが、予想に反してチビすら反応しない状況。 開始から1時間、2時間、3時間―  ごくたまにチェイスしてくるのは、ルアーを喰うのは苦しいだろうと言いたくなるサイズのヤマメだけ。 それでも何かが起こることを信じて遡行を続けていると、残りのポイント数が気になってきた頃、ついに今期最大のチャンスが巡ってきました。

 

 岩盤と適度な大きさの石が絡み合う深瀬のヒラキ。 すぐ下流には巨大な岩を沈めた淵があり、その底でじっと成熟が進むのを待っていたヤマメが、今まさに差してきているであろうポイント。 投げる前から、父に、「ここには何か絶対にいるよ!」 と声をかけていました。 

 アップで通した時には何も起こらず。 この時はそのままこのランを十数メートル釣り上がりましたが、何だか後ろが気になって、振り返ってポイントを見直しました。 どう考えても、上流側の今投げている押しの強い流れよりも、魚の付き場に適している。 そのポイントの斜め上流45度の位置に戻り、クロス気味のキャストで打ち直しました。 

 その一投目。 

 目視できる位置まで戻ってきたミノーのその後ろに迫っていたのは、大きな影。 いつ喰ってもおかしくない、そんな勢いで、ヒラ打ちに合わせて大きく左右に閃いていました。 それでも喰うことはなく、危険な位置まで追ってきてしまったため、ミノーを止めると、一際大きく反転して、元の付き場へと帰っていきました。 手に伝わった感触はなし。 それでも、明らかにルアーを襲う行動だったさっきの反転。 もし鉤に触れていたら、これで終わり。 始めて目にした秋の大ヤマメのチェイスと、この勝負がすでに終わってしまったかもしれないという不安で、変な汗が流れてきました。 

 少し時間を明け、2投目。

 先ほどチェイスを確認した位置より手前のエグレの死角から、再び姿を現しました。 ただ安心すると同時に、まずいことにチェイスの勢いは明らかに失速。

 間髪を入れずに3投目。

 2投目よりさらにチェイスの距離が短くなる。

 そして4投目。

 レンジを下げて流したのが功を奏して、再びヤマメが加速しました。 しかし私は、この魚に対して2つのミスを犯しました。 一つは、ここで勢いを取り戻させたことで勝負を急いでしまったこと。 喰う! そう思って、危険な距離を越えて追わせてしまいました。 さすがにこれ以上はまずいと感じるも、時すでに遅し。 運よく一発で逃げていくことにならなかったものの、ヤマメは着き場を変え、何と私の真横3メートルほどのところで定位。 

 この時に見た姿を、私はしばらく忘れられないでしょう。 大きさは、どう見ても35センチはありそう。 そして盛り上がった背中に、尾鰭まで真っ赤に染まった体。

 この距離では下手に動けず、しばらく固まっていましたが、勇気を出してキャストをすると、こちらの動きに怯えず反応を見せました。 ただその勢いは再び失速。 次のキャストもその次のキャストでも反応を見せましたが、バイトする勢いは無し。 だいいち、この距離では、追って喰ったのでは近すぎてバラす危険性がありました。

 ここで選択肢は二つ。 ルアーに突っ込ませる形で喰わせるか、追わせる距離分だけ自分が離れるか。 私には、前者をやるだけの技術はなく、後者を選択するしかありませんでした。 それに、 竿や手の動きで逃げなかったことで油断もしていました。 結局この選択が決定打となって、この真っ赤な大ヤマメは二度と姿を現しませんでした。

 

 チャンスをふいにするのは、これで終わりませんでした。 先のヤマメが諦めきれずキャストを繰り返していると、別のヤマメがチェイスし、さっきと同じ位置に定位。 くすんだ地色にピンクが浮き出た、これも尺越えの良型。 同じミスはしまいと出来る限りのヒラ打ちで興奮を煽るも、3投ほどしても勢いは失われたまま。 そして少し移動したのか、波間に隠れて姿が見えなくなりました。 ここで一つ、このタイプの反応の攻略パターンになりつつあるアクションを試す。 すると、隠れたであろう波間で、光を反射すると同時に、重みが乗った! この日釣りを始めてからすでに5時間以上でついに得たバイト。 それも、パターンとしてできあがりつつあるアクションで得た会心の一撃。 興奮しないわけがありません。 しかしその興奮も、私の下手なアワセが一瞬で落胆に変えてしまったのでした。

 

 ドラマが起こる、不調に喘いだ分、最後には素敵なプレゼントがある。 

 そんな確信にも近い予感があって、ラインやフックのチェックには相当神経質になっていました。 それでも腕及ばず、確かに起こったドラマをバッドエンドに書き変えてしまいました。

 「ヒットするチャンスは万人に平等。ただし、チャンスをモノにできるかは釣り人の腕に掛かっている。」 どこかで読んだ、勝手に尊敬している本波幸一さんの言葉が胸に突き刺さりました。 その通りです。 いくらいいタックルを使っても、下手ならこうしてチャンスを自ら潰していくんです。 

 こうして、シーズン最高の釣果で終わるはずだった今年のチャレンジは、静かに幕を閉じました。 

 出来る限り最後まで粘りましたが、私を慰めるように釣れたイワナの、卵でパンパンのお腹を見て、ああ、もう終わらなきゃいけないんだと感じさせられました。

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 どんなに望んでも、来週はもう川に立てません。 釣りをしている間には大して感じませんでしたが、家でこうして記事を書いているうちに、まるで小学生の頃の夏休み最終日のような名残惜しさがこみ上げてきてしまいました。 

 はっきりいって不満! もっと釣りたい!!

 これが正直な今シーズンの感想です。 残り数日、学校を休んで行ってしまおうかとも思いましたが、最後になってなぜかライントラブルと転倒が頻発しました。 もう終わりにしろと言われていたのかもしれませんね。 

 という訳で、今日で私の今シーズンの挑戦は終わりとします。

 何度も繰り返しているとおり釣果に納得のいかないシーズンでしたが、最後に父がこちらに来て、何とかお互いイワナを釣って、秩父の渓流を気に入ってくれたようだった点では、心地よい最後となりました。

  さて、悔しさのあまり長くなってしまいましたが、最後までお付き合い頂いた方、ありがとうございました。 ひとまず、相手になってくれた自然と、怪我もなく無事に終えられたことに感謝したいと思います。

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 最後にもう1度。半年間、本当にありがとう。 そして来年も宜しく。

 

2014年5月 8日 (木)

GW釣行 2

 水量がそれなりにあって、綺麗な景色の中で釣りがしたくて、2日目は大谷川の含満付近へ。

 

 今年は腕が落ちたのか、川が難しくなったのか、あるいは魚がいないのか、一匹の反応を引き出すのに相当苦労します。 以前は、大谷川ならもっと簡単に掌サイズのヤマメくらい釣れた気がしたのですが・・・

 

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 やっとの思いでボウズを免れましたが、一瞬大きなイワナかと期待した相手は30中盤のニジマスでした。 頭の大きいなかなかの男前です。

 そういえば、大谷川でニジマスを釣ったのなんてこれが初めてです。

 やはり今年はニジマスの年だったようです。

2014年5月 6日 (火)

GW釣行 1

 

 前日の田川の様子見を除けば、最初の釣行場所は鬼怒川水系の小さな沢。

 放流があり、アクセスもよく、入りやすい沢ですが、いつも人はいません。 それでいて、魚はそこそこいます。

 

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 ここのヤマメは、卵型~涙型のパーマークをしているのが特徴です。 写真の個体ではその特徴がやや弱いですが、それでも独特さが少しは伝わるでしょうか。 攻めきれないような大場所がないので、放流魚は解禁後すぐに抜かれて、在来魚と交雑することなくこの特徴が守られているのではないかと思います。

 ちなみにすぐ隣の沢のヤマメは、いたって普通のパーマークです。 なぜこの沢のヤマメだけがこんなパーマークになるのか。 自然は本当に不思議です。

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