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2016年5月23日 (月)

春の大岩魚

 4月下旬。

 天気予報では一応曇りのち晴れのはず。 しかし夜明け前の奥秩父では、しっとりと包みこむような霧雨が地上を濡らしていました。

 道から覗いた川は少し増水している様子。 今日は、間違いなくイワナの活性は高い。

 それでも、雨の日の釣りはちょっと嫌いです。

 できれば濡れたくありませんし、危険回避のために、いつもより余計に集中力を割かなければなりません。 そして何より、移動がキツイ。 私は埼玉での生活では原付しか持っていないので、家から釣り場までの3時間近くの間、雨に打たれ続けることになります。 真夏でもない限り、本当に勘弁してほしいわけです。

 この日も出発した時は平気だったのに、秩父の市街地を抜けたあたりで徐々に路面が濡れはじめたのを見た時には、あ~あ、と溜め息が漏れました。

 

 でも、イヤな天気だったのは明け方の一時だけ。 車止めに着く頃には雨も上がり、雲の切れ間から青空が覗くくらいの天気になってくれました。

 とりあえず、雨に打たれる心配はなさそう。 しかもこのタイミングなら、雨の恩恵だけはちゃっかり受け取ることができるかもしれない・・・

 期待に胸が膨らみ、ここから先の徒歩の道のりも足取りは軽い。 そのおかげか、思っていたよりも早く目的の場所まで辿り着くことができました。

 水際に降り立つと、やはり少々増水している様子が伺えます。 それに伴って期待どおりイワナたちの活性も上がっているようで、最初のポイントでさっそく小さなイワナがルアーにじゃれついてきました。

 釣り上がりはじめてまもなく、これはいかにもといった雰囲気の釜が現れました。

 5gのスープンを投げ入れると、見た目以上に流れの圧が強く、あっという間に流されてしまいました。 これは、ルアー以外の釣りで攻めきるのは難しそう。 ならば魚も残っているはず。

 立ち位置を変え、今度はディープダイバーで打つ。 流れのぶつかる巨大な岩の下をえぐるイメージで探りを入れると、心地よい水の抵抗感がロッドを通して伝わってくる。 

 餌釣りの錘では突き破れない、厚く重い流れの下に隠された緩流帯。 ここには必ず居るはず。

 何投目だったか、回収しようと浮上させたルアーの後ろに、見慣れない大きさの影が迫っていました。

 慌ててルアーを水面から引き抜くと、それはそのまま少しの間そこに定位したあとで、再び深い釜の底へ消えていきました。

 でかい。 35、いや40あるか。

 この日はもともと、秩父イワナらしい魚に出会うことだけを考えて来たので、このサイズのイワナとの立ち合いなど想像もしていませんでした。

 でも今そこにいたのは、確かに大イワナ。

 ダム差しでもない、ましてや放流魚でもない、憧れていた純粋な山育ちのイワナ・・・

 突如降って湧いたチャンスに動揺しましたが、きっとこれは獲れる。

 朝方にぱらついた雨が、この魚にスイッチを入れてくれているはず。

 一度ルアーを見せているから、今度は遠くでがっちり喰ってくれるはず。

 そう信じて再びキャストを繰り返す。

 すると数投後。 のしかかるような重いアタリが伝わってきました。

 ぐわんぐわん、と、大きく揺さぶられるような手応えが竿越しに感じられる。 

 こういう手応えの時はバレにくい。 期待どおり、いい喰い方をしてくれたようです。 しかも水中には巻かれるような障害物もなく、戦況はこちらが圧倒的に有利。

 それなのに、想像以上の引きに怖じ気づいて、頭の中では、「バレないで、頼むから!」 なんて、へたれたお願いごとを繰り返し唱えていました。

 結局、状況の良さに助けられ、たいして危なげもなくランディングできましたが、心臓はバクバク。 たまたま勝ってしまっただけで、本来は格上の相手なのだから仕方ありません。

2016042305_2
 39.5㎝。

 惜しくも40には届きませんでしたが、立派な尺三寸の大イワナ。 これでも、奥秩父では貴重なサイズだと思います。

 背中に白く残った傷跡が、この環境で生き抜くことの厳しさを物語っているようでした。

2016042303_22016042302_2

 鮮やかな色彩が特徴の秩父イワナも、高齢になると色がくすみ、斑点が消失する傾向にあるといわれています。 このイワナも何年も生きてきた個体なのでしょう。 5センチのミノーなど一呑みにできるほどの大きな口からも、長い年月をかけてじっくり育ったことが伺えます。

2016042304_2


 4月も最高の魚で締めくくることができました。

 それにしても今シーズンは出来すぎです。 憧れていた魚が、早くもこれで2本目。

 

 コツを掴んだのか、ただ単に運がいいだけか・・・。

 

 

 

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コメント

お見事っすね!!

顔付きが良いし
色はも~~最高っす!!

こりゃすごいね~
見事な大イワナ!!
おめでとうございます!
今年は何かあるね?!
更なるサプライズをお待ちしています。(^_^;)

>gijie.anglerさん

ありがとうございます!
鉛色っぽい感じですよね~
こんなに渋い色したイワナは初めてです。

>YAMさん

ありがとうございます!
今年は本当にもうこれで満足ってくらいです。
でも今シーズンもまだ前半戦。 
まだまだ欲張っていきたいと思います!

源流岩魚らしい凄みのある顔つきですね。
河川残留型の寿命は、5,6年と言われていますが、7,8年生きる個体も確認されているようなので、秩父の環境を考えると、そのような個体かもしれませんね。キャッチ&リリースする釣り人が増えて、大ものと出会えるチャンスがもっと増えるといいですね♩

>リンゴさん

そうですね~
キャッチ&リリースってちゃんとやれば本当に効果的なんですよね。
去年行った野呂川なんて、泳いでいるイワナを簡単に発見できるくらいの魚影の濃さでしたよ!
源流部ではできる限り心がけたいですね。

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