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2016年2月

2016年2月29日 (月)

昨シーズン回想4 最後の尺イワナ

 昨年の最終釣行は、4月にいい釣りができた山梨の渓へ父を案内しました。

 あまり釣果には期待せず、イワナと山との触れ合いが多かった昨年らしい場所で竿が出せればそれでいいかなと思っていましたが、素晴らしい2本のイワナが最後を飾ってくれました。

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 まずは手のひらサイズのチビイワナでしたが、ランディングしてみてびっくり。

 ぱっと目につくポップな色彩はパレットのよう。

 スポットの色は、側線では白に縁取られたみかん色。 その上段ではアイボリーに変わり、背中ではなんと水色。

 アブラ鰭は白とオレンジのマーブル模様を描き、まるで金魚の鰭。

 日本の川で最も美しい魚はヤマメかアマゴだと信じて疑いませんでしたが、信念を揺るがすようなイワナがこの渓には居ました。

 父にもキレイなイワナを釣ってもらいながら遡行し、昨年最後の釣りも終盤に差し掛かった頃、次は良型が私の竿を絞りました。

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 昨年を締めくくったのは、雄の白い尺イワナ。 これが釣れれば、何も言うことはありません。

 これほど綺麗な尺イワナとの出会いは初めてのこと。 やっぱりこの渓は最高だ。

 最後には父も9寸クラスを出し、お互い最高の気分で昨シーズンを終えました。

 結局、痺れるような大物との出会いは果たせませんでしたが、より釣りの楽しさの本質に迫れたような気がする半年間でした。

 今年はどんなシーズンになるでしょう。

 あと6時間と少し、この夜が空けたら、2016年の釣りも始まりです。

 

 今年も、よい時間が過ごせますように・・・

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昨シーズン回想3 山とヤマト

 9月某日、父の提案で初めての南アルプスへ。

 

 標高2000mの地で手にしたイワナは、憧れのヤマト・・・

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 水温が低いため、体にはすでに夜空のような藍色の錆びが差し始めていました。

 その上に浮かぶ星々は、かなり赤みの強いオレンジ。

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 白点は淡く、背中ではほぼ消えかかっています。 確かに、ニッコウイワナとは少し違った血が流れているように見えます。

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 流石は人気河川の野呂川だけあって、源流近くの両俣小屋周辺でも先行者が多く、たくさんのヤマトには出会えませんでした。

 それでも嫌な感じはなく、漁協や釣り人が大切にしているのがよく伝わってくるいい川でした。

 ちょっと経験したことのないタイプです。

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 周囲には野生動物の濃厚な気配も。 小屋のテン場からいくらも離れていない木の幹に、しっかりとクマの爪跡が刻まれていました。

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 いつもより少し怯えながらのテント泊。 緊張のせいか興奮のせいかは分かりませんが、よく眠れませんでした。

 眠っては目を覚ましての繰り返しで、いつのまにか2日目の朝を迎えていました。

 明け方の気温はなんと5度。 昨年の体感で最も寒い朝は、まさかの9月中旬のこの時でした。

 さて、2日目は釣りではなく、登山。 

 目指すのは北岳の頂。 

 野呂川左岸の尾根を延々とつたい、小屋の前ではあれだけの水量があった野呂川の源流を越える。

 森林限界を突破し、間ノ岳(3189m)、中白根山(3055m)を経て、ついに主峰北岳が姿を現しました。

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 “自称”晴れ男の父の力か、最高の天気。

 さあ、もう一息。

 一歩一歩踏みしめながら前進し、数十分後・・・

 ついに、日本第2位の高峰、北岳の頂を踏むことができました。

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 天国のような景色と、今まで知らなかった何ともいえない達成感。 これが登山の魅力なのでしょうか。

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 こうして登山と釣りを通して、南アルプスの雄大さを知った遠征は無事に終了。 日程が遅れたり、トラブルもありましたが、まったく知らない遠くへの旅はいいものですね。

 これに味をしめてしまって、今年は北アルプスに行こうか、なんて父と話し合っています。

2016年2月24日 (水)

昨シーズン回想2

 尺イワナと出会った翌日。

 この日は同水系の別の沢筋へ。

 高低差はあるものの、こちらの沢には林道が通っており、いくぶんかお気楽な源流行。

 それでも色々な要因が重なって人が来ることはほとんどなく、圧倒的な魚影で楽しませてくれます。

 この沢での最大は今のところ泣き尺。 大イワナと呼べる魚とも遭遇しており、サイズ的なポテンシャルにも期待が持てる所です。

 しかしここでもひどい渇水は相変わらずで、ところどころ流れが途切れてしまう始末。 こんな環境で本当に魚類が生息できるのかと思わず疑ってしまうような状態ですが、舐めるなと言わんばかりにイワナが顔を出します。 

 いやあ本当に凄まじい生命力。 心配をよそに逞しく生きのびていました。

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 さて、いいサイズのイワナには結局出会えませんでしたが、ちょっと珍しい奴と遭遇してしまいました。

 彼と会うのは念願だったような、そうでないような微妙なところでしたが、実際会ってみて、まあいい経験だったかなと思っています。

 それは行く手を塞いでいる大きな岩をよじ登って上に顔を出した時のこと。 

 急に開けた視界の先で大きな影が動いたのが目に入りました。

 距離は20メートルほど。 一瞬だけ見えた黒い塊が藪に吸い込まれるように消えて、ガサガサと草木を揺らしながら斜面を駆け上がっていきました。

 

初めて見る野生の熊の姿に、思わず「うおっ・・・」と声が漏れました。

 この状況の下では危険な思考かもしれませんが、意外と恐怖はなく、何だか感動で呆気にとられてしまいました。 

 今回は熊のほうがすぐに逃げてくれたのでこんな呑気なことを言っていられますが、睨み合いになっていたらきっとぜんぜん違う感想になっていたのかな・・・。

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2016年2月19日 (金)

解禁前 昨シーズン回想

 昨年の釣りを1単語で表すとすれば、「イワナ」あるいは「山」。 シーズン終盤の更新をサボっていたのであまりイメージにないかもしれませんが、そんな感じでした。

 年々手つかずの川と魚を求める気持ちが強くなってきたことで自然と山へと足が向き、それに伴ってイワナと顔を合わせる機会も多くなっていきました。

 そんな昨年を象徴する釣りの一つが、父と行った、盆の新潟のとある地方での一幕。

 生来この土地と付き合ってきた父でも未踏だった奥地へと足を踏み入れました。

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 両岸は高さ数百メートルはあろうかという急峻な崖。 底を流れる沢に河原はほぼなく、まるで巨大な水路のよう。

 そんな沢を、へつって巻いて泳いで、イワナを求めて奥へ奥へと進んでいきました。

 橋や堰堤はもちろん、ゴミの一つもない完璧な自然。 そんな環境にいるイワナだから、当たり前のごとく綺麗。 文句のつけようがありません。

 ただ、活性がこれでもかというほど低い。 原因は最悪レベルの渇水。 傾斜の急な沢なのに流れにまるで勢いがなく、淀んだ水溜まりのようなプールには流下物が溜まったままになっていました。 イワナの反応は終始鈍く、まるで閉め切った部屋で熱中症にかかったよう。 

 いまいち満足の1本が出ないまま、越えられなさそうな滝に突き当たり、遡行も終わりを迎えました。

 直前のポイントで父は9寸のイワナをゲットしたため、今度は私の番。

 狭く深い滝壺にスプーンを放ると、これまでの無気力なイワナたちとは違ったチェイス。 それも、この日釣ってきたどのイワナよりも大きい。 やはり水がよく動く場所だと少しは違う。 こういうイワナがいれば、スレとは無縁なのであっさり喰ってくれます。

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 今まで釣ってきた中でも、最も人との交流を断たれた環境に棲むイワナの尺を越えた姿。 渇水にずいぶんと苦しめられましたが、これが見られればまずまずでしょう。

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 個人的にイワナの一番綺麗だと思うポイントが、背中。

 薄く緑がかった地色にくっきり浮かぶ大柄な白斑。このあたりのイワナを見て育った私達にとっては、これこそイワナの象徴といえます。

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 さて、満足なイワナが出ましたが、きっとこの沢のポテンシャルからすれば、この程度は小物なんじゃないかと思います。

 何せ、今では夢のような話ですが、この沢が流れ込む渓流の別の支流で、父は2尺を超えるイワナを2度も手づかみしたことがあります。

 その沢と比べても格段に環境が良く、人もほとんど寄り付かないこの場所なら、今でも化け物のようなイワナを育んでいたとしても不思議ではありません。 

 もしかしたらあの滝壺の底では、尺イワナが釣られる様子を、“ヌシ”がじっと見ていたのかも・・・

 

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