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2015年8月 2日 (日)

合わせて四尺二寸

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 これも1ヶ月近く前の話になってしまいましたが・・・

 7月5日

 

 行き先を決めるにあたって、2年前の6月下旬、渓流釣りのつもりで入った流れでヒットした2匹のヤマメのことを思い出していました。

 期待通り綺麗な渓流らしいヤマメを手にした後で大淵から現れたのは、全く予期していなかった魚。

 薄らいだパーマークを覆う銀色の鱗と大柄な体格は、紛れもない本流からの遡上ヤマメのものでした。

 今年も彼らはもうあの場所まで来ているだろうか。 

 考え始めると途端に気になり、気付けば2年前と同じ流れの中に浸かっていました。

 恐らくは自分しか知らないルートをつたって降りた先にある、長い瀞に続く瀬のヒラキ。この先の好ポイントの連続する区間の玄関口的な場所。

 いつものことながら寝坊したため朝一のゴールデンタイムは逃したものの、この日は時折小雨のぱらつく曇り空で、太陽の位置がはっきり分からないくらいの厚い雲が頭上を覆っていました。

 これならイケる。 期待に駆られてキャストを始めると、わずか数投で影が絡みついてきました。

 ギラッ、ギラッ、と左右に大きく振れながら迫ってきたヤマメは、次のキャストでばっくりとミノーを咥え、手元にしっかりとした重量感を伝えました。

 この時のお互いの距離は約1.5メートルほど。 この近さで大人しくなるまで猛攻をかわし続ける自信はないため、一気に寄せて水面まで浮上させ、勢いに任せて下から一気にザッ!と掬い上げる。

 次の瞬間、いやむしろ一瞬早かったか、竿が弾かれる感触とともに、さっきまで魚の口元にあったはずのミノーが空中に放り出されました。

 でも、大丈夫。 

 既にネットのフレームは水面を割っていました。

 こんな高活性の魚を相手に危なっかしい勝負だったものの、何とか狙い通りの魚を手にできた・・・

 そう安心したのもつかの間、覗きこんだネットの中のヤマメの姿に目を奪われ、再び脈が早くなりました。

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 銀色の具合はずいぶんと控えめ。 そして色白の体に浮かんだ完全無欠のパーマーク。

 これは居着き? もしそうだとするならば32センチというサイズは私にとって絶叫にも値します。

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 もちろん居着きのヤマメも普通に生息している流域ですが、本当の意味で居着きの大ヤマメだと断言できる魚を手にしたことがない私が、パーマークや銀化の具合だけでそれを判断するのは、この後に訪れた展開から言ってもあまりに軽率。 

 そうは言っても理想的な姿のヤマメであることに変わりはなく、今年イチバンの高揚感で遡行を始めました。

 

 当初の目的は遡上ヤマメ。 やはり、2年前と同じように差してきていました。 

 しばらく遡行した先の深瀬でアップに投じたヘビーシンキングのミノーに再びいいサイズが反応。 一度は沈黙した相手にしつこくアプローチを続けていると、再び火が付き猛然とチェイス。 そしてピックアップ寸前でヒット。

 ティップから伸びている糸の長さはわずか50センチほど。 これまたさっさと取り込んでしまうべきだと判断してランディングしたものの、その後が大変。 ネットの中でフルパワーで暴れるヤマメに竿を折られるかと思いました。

 4

 これが今日の本来の狙い。 パーマークは水中で銀色の反射が遮られたときのみ、かろうじて見える程度。 華やかさを取り払った燻し銀の魚体には、また違った魅力があります。 これも尺を少し超える良型でした。

 今日はいい日だなあなんて思っていたら、幾らも歩かないうちに、再び鋭い衝撃を手に感じ、これまたいいサイズがネットに収まりました。 さっきのより大きいぞ、なんて思っていたら、とりあえず1枚写真を撮った直後、サイズを測らないまま逃走してしまいました。

 でも逃げた魚は云々抜きにしても先の1匹よりも絶対に大きいと感じたし、尺ヤマメ認定でも良いでしょうか。 自分に厳しい人ならしないと思いますが・・・。

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 この日の高活性は年に1度あるかないかのものだったかもしれません。 ここでは普段滅多にお目にかかれないイワナまで泣き尺が飛び出しました。

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 そして絶好調の1日を締めくくったのはこの日最大の33センチ。 

 サイズ以上のパワーで暴れまわった魚体は、強い流れの中で成長したと思われるはちきれんばかりの筋肉に覆われていました。

 

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 クマの生息圏ともかぶるいかにも渓流といった景色の中、こうしたタイプのヤマメを5ftのロッドで狙う釣りは、秩父をホームとして初めてできるようになりました。それまでの自分の常識からすると何だかとても不思議な組み合わせですが、そんなところに面白みを感じています。

 

 

 

 

 

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コメント

おめでとうございます!
鍛え抜かれたキレキレっの魚体美に目が釘付けです。秩父では、これだけの魚体にはなかなか出会うことがないので、珍しいものを見せて頂きました。台風やゲリラ豪雨等でポイントが変わってしまうことが多いですが、いつまでもポイントが変わらないといいですね

>リンゴさん

本流差しなので流石の魚体でした。
しかしこういうヤマメが渓流の様相の流れの中で掛かるのは未だに不思議な感じですね

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