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2014年9月28日 (日)

2度目の秋、最終日 大ヤマメ再び

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 画像のヤマメは、昨年秋に釣れた35センチのヤマメです。 数年前から憧れてきた理想がようやく現実となった1尾でした。 秩父に来て最初の年、9月12日の出来事でした。 

 昨年はこのヤマメ以前にも、居着きでないとはいえ、渓流域でいいヤマメが釣れていました。 夏の遠征でも結果は良好で、締め括りともいうべきこんなヤマメが釣れたことで、残りの釣りは、心にゆとりを持って純粋に楽しめたものです。

 しかし、今年は違います。

 何だか気持ちにモヤモヤしたものが残る結果となった2014年の解禁日。 そんな気持ちが今シーズンの釣りの有り様を暗示していたかのように、まるで釣果に恵まれない日々。 そして、気付けば今日この日、自分にとっての最終日を迎えていました。

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 今日は、一足先に禁漁を迎えた栃木で退屈していた父が、初めて秩父を訪れました。

 飽き症な父は、ここで何かを書くことはなくなってしまいましたが、今までと変わらず元気にしています。 それどころか、年々源流志向が強まり、いっそうハードな釣りをするようになっていました。 昨年からは源流釣りのために登山も始めたようです・・・。 今年の夏に一緒に源流へ遠征をかけましたが、足腰の頑強さは、私では到底及びませんでした。 様々なところで耳にする、「最近の若者は・・・」という中高年世代の言葉。 私はこれが大嫌いで、聞くたびにムッとしてしまうのですが、成程確かに、川歩き、山歩きに関しては、父には何も言い返せません。

 話が逸れましたが、とにかくこちらへ父が来ました。

 せっかく来てもらったのだから、何とかして釣ってもらいたい。 それと同時に、何とか自分も有終の美を飾りたいという思いから、困った時のために手をつけずにいた区間へと向かいました。

 

 そこは、昨年3度の釣行で、上の35センチをはじめ、36センチ、33センチ、泣き尺以下の良型も何本か出ていた場所。 数、型、渓相どれをとっても、自分が最も信頼を置いている区間でした。

 前日のうちに到着し車中泊、日の出と同時にこの頼みの綱の流れを打ち始めましたが、予想に反してチビすら反応しない状況。 開始から1時間、2時間、3時間―  ごくたまにチェイスしてくるのは、ルアーを喰うのは苦しいだろうと言いたくなるサイズのヤマメだけ。 それでも何かが起こることを信じて遡行を続けていると、残りのポイント数が気になってきた頃、ついに今期最大のチャンスが巡ってきました。

 

 岩盤と適度な大きさの石が絡み合う深瀬のヒラキ。 すぐ下流には巨大な岩を沈めた淵があり、その底でじっと成熟が進むのを待っていたヤマメが、今まさに差してきているであろうポイント。 投げる前から、父に、「ここには何か絶対にいるよ!」 と声をかけていました。 

 アップで通した時には何も起こらず。 この時はそのままこのランを十数メートル釣り上がりましたが、何だか後ろが気になって、振り返ってポイントを見直しました。 どう考えても、上流側の今投げている押しの強い流れよりも、魚の付き場に適している。 そのポイントの斜め上流45度の位置に戻り、クロス気味のキャストで打ち直しました。 

 その一投目。 

 目視できる位置まで戻ってきたミノーのその後ろに迫っていたのは、大きな影。 いつ喰ってもおかしくない、そんな勢いで、ヒラ打ちに合わせて大きく左右に閃いていました。 それでも喰うことはなく、危険な位置まで追ってきてしまったため、ミノーを止めると、一際大きく反転して、元の付き場へと帰っていきました。 手に伝わった感触はなし。 それでも、明らかにルアーを襲う行動だったさっきの反転。 もし鉤に触れていたら、これで終わり。 始めて目にした秋の大ヤマメのチェイスと、この勝負がすでに終わってしまったかもしれないという不安で、変な汗が流れてきました。 

 少し時間を明け、2投目。

 先ほどチェイスを確認した位置より手前のエグレの死角から、再び姿を現しました。 ただ安心すると同時に、まずいことにチェイスの勢いは明らかに失速。

 間髪を入れずに3投目。

 2投目よりさらにチェイスの距離が短くなる。

 そして4投目。

 レンジを下げて流したのが功を奏して、再びヤマメが加速しました。 しかし私は、この魚に対して2つのミスを犯しました。 一つは、ここで勢いを取り戻させたことで勝負を急いでしまったこと。 喰う! そう思って、危険な距離を越えて追わせてしまいました。 さすがにこれ以上はまずいと感じるも、時すでに遅し。 運よく一発で逃げていくことにならなかったものの、ヤマメは着き場を変え、何と私の真横3メートルほどのところで定位。 

 この時に見た姿を、私はしばらく忘れられないでしょう。 大きさは、どう見ても35センチはありそう。 そして盛り上がった背中に、尾鰭まで真っ赤に染まった体。

 この距離では下手に動けず、しばらく固まっていましたが、勇気を出してキャストをすると、こちらの動きに怯えず反応を見せました。 ただその勢いは再び失速。 次のキャストもその次のキャストでも反応を見せましたが、バイトする勢いは無し。 だいいち、この距離では、追って喰ったのでは近すぎてバラす危険性がありました。

 ここで選択肢は二つ。 ルアーに突っ込ませる形で喰わせるか、追わせる距離分だけ自分が離れるか。 私には、前者をやるだけの技術はなく、後者を選択するしかありませんでした。 それに、 竿や手の動きで逃げなかったことで油断もしていました。 結局この選択が決定打となって、この真っ赤な大ヤマメは二度と姿を現しませんでした。

 

 チャンスをふいにするのは、これで終わりませんでした。 先のヤマメが諦めきれずキャストを繰り返していると、別のヤマメがチェイスし、さっきと同じ位置に定位。 くすんだ地色にピンクが浮き出た、これも尺越えの良型。 同じミスはしまいと出来る限りのヒラ打ちで興奮を煽るも、3投ほどしても勢いは失われたまま。 そして少し移動したのか、波間に隠れて姿が見えなくなりました。 ここで一つ、このタイプの反応の攻略パターンになりつつあるアクションを試す。 すると、隠れたであろう波間で、光を反射すると同時に、重みが乗った! この日釣りを始めてからすでに5時間以上でついに得たバイト。 それも、パターンとしてできあがりつつあるアクションで得た会心の一撃。 興奮しないわけがありません。 しかしその興奮も、私の下手なアワセが一瞬で落胆に変えてしまったのでした。

 

 ドラマが起こる、不調に喘いだ分、最後には素敵なプレゼントがある。 

 そんな確信にも近い予感があって、ラインやフックのチェックには相当神経質になっていました。 それでも腕及ばず、確かに起こったドラマをバッドエンドに書き変えてしまいました。

 「ヒットするチャンスは万人に平等。ただし、チャンスをモノにできるかは釣り人の腕に掛かっている。」 どこかで読んだ、勝手に尊敬している本波幸一さんの言葉が胸に突き刺さりました。 その通りです。 いくらいいタックルを使っても、下手ならこうしてチャンスを自ら潰していくんです。 

 こうして、シーズン最高の釣果で終わるはずだった今年のチャレンジは、静かに幕を閉じました。 

 出来る限り最後まで粘りましたが、私を慰めるように釣れたイワナの、卵でパンパンのお腹を見て、ああ、もう終わらなきゃいけないんだと感じさせられました。

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 どんなに望んでも、来週はもう川に立てません。 釣りをしている間には大して感じませんでしたが、家でこうして記事を書いているうちに、まるで小学生の頃の夏休み最終日のような名残惜しさがこみ上げてきてしまいました。 

 はっきりいって不満! もっと釣りたい!!

 これが正直な今シーズンの感想です。 残り数日、学校を休んで行ってしまおうかとも思いましたが、最後になってなぜかライントラブルと転倒が頻発しました。 もう終わりにしろと言われていたのかもしれませんね。 

 という訳で、今日で私の今シーズンの挑戦は終わりとします。

 何度も繰り返しているとおり釣果に納得のいかないシーズンでしたが、最後に父がこちらに来て、何とかお互いイワナを釣って、秩父の渓流を気に入ってくれたようだった点では、心地よい最後となりました。

  さて、悔しさのあまり長くなってしまいましたが、最後までお付き合い頂いた方、ありがとうございました。 ひとまず、相手になってくれた自然と、怪我もなく無事に終えられたことに感謝したいと思います。

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 最後にもう1度。半年間、本当にありがとう。 そして来年も宜しく。

 

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コメント

久しぶりにブログ覗いてみたら元気そうでなによりです。
私は、今年ほとんど那珂川で釣行してました。来年は、北部の渓流地帯に行く予定です。
去年からghana@kawachi361127でツイートしてます。

お疲れ様でした~!
期待できる渓だけに残念でしたね・・・。
最後の抱卵イワナ・ライントラブル/転倒の連続を終わりと捉える感覚は大切だと思います。
また来年を楽しみに、オフシーズンも楽しみましょうかね。(^_^;)

> saito(West KINU)さん

お久しぶりです。 私も今年、北部には何度か父と行ってきました。 なかなか良さそうです。
時間があったら秩父にも来てみてください。 この時のヤマメ2匹とも、貴方なら釣れていたと思います。
良かったらまたメール下さい。

>YAMさん

期待通り、いいヤマメがいたんですけどね・・・。

ともかく、お疲れさまでした。 YAMさんは秋のスーパーヤマメに、45センチの大イワナと、昨年の60ヤマメにも、ある意味引けをとらない釣果でしたね。 

今シーズンもたくさんのコメントありがとうございました。 また来シーズンの釣りに期待しましょう! 

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